極端に言ったら、この考え方さえ守ってトレードすれば負けるはずがないです。
トレーディングの初心者がトレードするにあたってほぼ必ずと言っていいほど陥る罠。
それはすべてのトレードに勝とうとすることです。なぜ勝とうとしてはいけないのか、それを説明しながら、トレーディングを始めるにあたって知っておくべき超重要な概念を説明したいと思います。
Contents
すべてのトレードに勝とうとしてはいけない
トレーディングの醍醐味。それは自分でマーケットの動きを予想し、トレードを実行し、自分の予想通りにマーケットが動いたときに利益が得られることです。
なのでトレーディングの初心者はひとつひとつのトレードを勝ちで終わろうとします。ある意味当たり前の行為かもしれません。
ただ、考えてみてください。100回のトレードで100回勝つことが可能でしょうか?おそらく無理です。すべてのトレードに勝つのは無理なので今すぐその考えを改めましょう。
じゃぁ逆に100回トレードしたら、どのくらい勝てると思いますか?
まずこれを把握することが大事です。株式投資、FX、なんでもいいんですが、これからトレーディングを始めようという人は勝率を記録しておくことをお勧めします。ちなみにここでいう勝率というのはいくら儲かったか、ではなく、単純にトレードした回数に対する買ったトレード回数の割合、という意味です。
素人は情報がない、知識がない。だからプロには勝てないのか?
もちろん勝率は高ければ高いほどいいです。でも低いからってトレーディングに向いてない、というわけでもないのです。
ここにも初心者が陥りやすい勘違いがあります。素人はプロと違って情報がない、知識がないから勝てない、というものです。
もちろん情報や知識は大事です。確かに僕らプロの世界においては素人の方々に比べて情報を容易に入手することができます。
僕が証券会社に勤めていたころは、目の前で機関投資家が数百億単位のトレードを行っており、そのトレードによって相場が動く、なんてことは日常的にありました。そんなこと、素人には知りえません。
知識については努力次第、という面もありますが、やはり仕事としてマーケットに関わっている分、四六時中マーケットを見ているわけですし、周囲に詳しい人がたくさんいるので、努力しなくとも自然に知識がついてくる、ということはあります。
それでも情報、知識はトレーディングにおいて二の次だと僕は考えます。
ではトレーディングにおいて最も重要なことは何なのか?
一番やっちゃいけないパターン。コツコツ勝って、ドカン!と負ける。
冒頭の話に戻りますが、みんな利益を得たくてトレードするわけです。つまりトレードする人というのはどれだけ冷静に取り組んだとしても、基本的には一定の「勝ちたい」という気持ち、というかバイアスを持ってトレードするわけです。
自分が執行したトレードが想定通りに進めば何も問題はありません。問題は逆方向に行った場合です。
「勝ちたい」バイアスがかかっている場合、そして「勝ちたい」という気持ちが大きければ大きいほど、自分が思っていた方向にマーケットが動かなかった時、どうしても「いや、そのうち戻るはず。自分の判断は間違ってない」と考えて、損切りしない理由をあれこれと見つけ出そうとしてしまいます。。
で、気がついたらとりかえしのつかない大きな損を抱えてしまい、理性的な損切りではなく、切羽詰まって止む無しに損切りさせられてしまうことになります。
これが積み重なるとどうなるのか。
せっかくコツコツ勝っても、一回のトレードでドカンと負ける、というパターンを繰り返すんです。
コツコツ、ドカン!コツコツ、ドカン!コツコツ、ドカン!・・・・
先ほど、トレードする人は基本的に「勝ちたい」というバイアスがかかっている、と言いましたが、ドカン!をやった後というのは負けを「取り戻したい」という欲求が加わり、「勝ちたい」という気持ちがさらに強まります。
そうすると焦る気持ちが積み重なって、勝率に影響を及ぼし始めます。冷静な判断がしづらくなって、勝率が下がります。余計に焦ります。負のスパイラルです。
とにかく負けるときは小さく負ける
トレーディングにおいて情報や知識よりも大事なこと、それは「とにかく負けるときは小さく負ける」ことです。
正直、どれくらい勝つか、というのはあまり問題ではありません。というかそこを問題にしてしまうから、結局負けてしまうのです。
勝率を記録してみて下さい、と言いましたが、勝率を記録すると見えてくることがあります。
簡単な例で説明します。毎回100万円を元手に10回トレードを行うとします。
過去のトレード実績を記録した結果、勝率5割をキープできたと仮定して、勝ったときは5%利益が乗ったところで利食い、負けたときは5%損が出たところで損切るとします。
すると勝ったときは一回のトレードで5万円の利益がでます。負けた時も5万円の損失です。勝率5割だとトータルで25万円の利益と25万円の損失でプラマイゼロとなります。
じゃぁ次の例として勝ったときは6%、負けたときは5%で損益を確定させるとします。そうすると10回トレードして、勝率5割だとトータルして5万円の利益がでます。
トレーディング収益を決定する3つの要素
何が言いたいかというと、トレーディングによる最終的な収益は
- 勝率
- どこで利食うか
- どこで損切るか
この3つの要素で決まってくる、ってことです。
勝率を維持しながらできるだけ大きく利食い、できるだけ小さく損切る。これを繰り返すんです。
そしてトレーダーはこの3つの要素すべてについてあらかじめ知る、ないしは自ら設定することができます。
まず一つ目の勝率です。これは先ほど100回トレードして勝率がどのくらいになるか記録をつけるといい、とお話ししました。勝率は自ら設定できるものではありませんが、記録をつけることで自分が平均的にどのくらいの勝率を維持できるのかを知ることができます。
2つ目、3つ目の利食い、損切りの水準ですが、これはあらかじめ自分で設定することができます。つまり、上の例で出てきたように、○%上昇したら利食う、○%下落したら損切る、というように決めておく、ということです。
(ただ、市場のボラティリティ(変動性)がこの利食い、損切りのラインより大きい必要があります。つまり、5%利益が乗ったら利食うというルールを決めていても、そもそも価格が一日1%も動かないようなマーケットだったらそのルールはワークしません。)
ということはですよ。トレーディングでいくら収益をあげられるか、というのはある程度前もって知ることができるってことなんです。これってすごくないですか?
そしてもう一つ重要なこと。それは、この3つの要素がブレないように冷静にトレードを繰り返す、という作業の中に「勝ちたい」という気持ちが入り込む余地は一切ない、ということです。
先に書いたように「勝ちたい」、という気持ちは勝率を下げる原因にしかならず、上げる要因にはなりません。「勝ちたい」という気持ちよりもあらかじめ設定された3つの要素をいかに崩さずトレードするか、つまり、「勝率を維持しながら、決められた水準になったら機械的に利食うor損切る」ということが一番重要なんです。
補足:勝率を上げる努力はしてもいい
最後に冒頭で知識、情報は二の次だと言った意味について説明しておきます。
ここまででお話ししてきたように一番大事なのは上に出てきた3つの要素を維持しながらトレードすることです。ただ、1つ目の勝率については高ければ高いほどいいのは当たり前です。でもより重要なのは3つの要素の維持です。トレーディング初心者の方はこれが維持できて初めて勝率を上げる努力をすればいいと思います。
で、勝率を上げる方法というのが二の次と言った知識、情報の収集、蓄積です。関連の書籍を読む、ブログを読む、セミナーに出る、何でもいいと思います。このブログでもおいおいそうした内容の記事を書いていこうと思います。
プロでもこの3要素を理解していない人はたくさんいます。だからこそ、知識、情報でプロに劣る素人、その中でも特に初心者の部類に入るような人であってもプロよりも着実にトレーディングによる収益を膨らませるチャンスがいくらでもあるんです。
参考書籍:これからパンローリングの投資本を読む人へ
最後にトレーディングをこれから始めようと思っている人におすすめの本を紹介します。投資の初心者がいろいろな参考書を読む前に一番最初に読んでおいた方がいいと思う本です。
今回、この記事で書いた内容もこの本の中に書いてあります。
僕がディーラーになってから、体系的にトレーディングを学ぼうと思ったときに最初に手にとった本なんですが、とても簡潔に、でもトレードをする上で本当に大事なことが書いてあるので、これから投資を始めようと思っている人ほど読んでもらいたいと思います。
すでに投資家歴の長い人でも、自分の経験と照らし合わせながら読んでいくとより理解が深まると思うので、ぜひ読んでください。
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