おそらくトランプ新大統領の登場によってこれまで想定されていたマーケットとは展開がガラッと変わると思います。今回はトランプ大統領が誕生した後のマーケットがどのように動くのかを予想してみました。
財政出動による株高
トランプ新大統領の政策において特徴的なのが財政政策。
法人税の引き下げなどの減税策、そして広範囲なインフラ投資拡大によって大規模な財政出動を行うというものです。
本当に実現可能なのかという疑問は残るものの、オバマ政権によって進められた財政健全化策によってある程度財政出動の余地はあるため、全ては無理でも一定の効果は期待できそうです。
そうなれば減税により企業の税負担が減る他、インフラ投資によってそれを請け負う企業にお金が回るため、企業業績の上振れによる株価押し上げ効果が発生します。
財政出動によるインフレ進行、金利上昇
財政出動により株価などの資産価格が上昇すればそれによって物価が上昇します。
財政出動に伴う財源がどこまで確保できるのかは不透明ですが、確保が難しい部分については米国債の発行に頼ることになります。
インフレ進行と国債発行に伴う財政負担は米金利の上昇を加速させます。
実際、トランプ氏の大統領選勝利が決まった瞬間から米国初で大幅な金利上昇が起こっており、米国10年金利は直近の1.7%から2.1%台へと急上昇し、この影響は欧州、そして日本へと波及しています。
ドル高新興国通貨安
米金利の上昇はドル高を引き起こし、相対的に他国通貨は売られます。
日欧のような先進国にとってみれば自国通貨安は願ったり叶ったりの状況ですが、新興国にとってはたまったものではありません。
輸入物価が上昇し、否が応でもインフレが進行します。
すでにインド、インドネシアなどの中央銀行がドル売り介入で自国通貨安を防ごうと動いています。
つまりトランプ新大統領の誕生による新興国に対する影響は通貨安、そしてそれに伴う株安です。
ドル円、日本株、円金利への影響
逆に先に述べたように日本にとってみればトランプ新大統領の登場によるドル高円安の流れは恵みの雨のようなものです。
黒田日銀は追加緩和なしに円安進行が生まれることになり、それに伴って日本株が上昇します。
一方、円金利についてですが、先週は米金利の上昇が円金利にも影響を及ぼし、10年金利はもう少しでプラス圏へと顔を出すような場面も見られました。
しかし日銀は現在10年金利のターゲットを0%と置いており、これ以上の金利上昇に対しては下押し圧力がかかりやすくなります。
先週末の相場を見ていてもスワップ金利は欧米金利に連れてスティープニングしていましたが、国債金利は10年超の金利がスワップについていかずにいました。
今後も米金利が上昇を続けたとしても、日銀には指値オペというまだ一度も使ったことのない新型オペという手段があるため、円金利はそこまで大きく上昇する状況にありません。
まとめ
トランプ新大統領の登場による金融市場への主な影響としては、
財政出動を発端として米株上昇、そしてインフレ進行と財政負担増による米金利上昇。これが日欧に波及しグローバルに金利が上昇するものの、日本は金融政策によって大幅な金利上昇を避けられる。ドル高の恩恵を受ける日欧の通貨安は株価上昇に寄与。一方で通貨安が経済にダメージを与え、新興国株は下落。
というようなストーリーが描けます。
こう見ると黒田日銀は9月末の思い切った金融政策の枠組み変更によりトランプ新大統領誕生による恩恵を最大限に享受できる国であると言え、アベノミクス並みの円安株高の実現も夢ではないかもしれません。
ただ、今のところ、トランプ新大統領の財政政策に焦点が当たりすぎている節があり、以前から彼が進めようとしていた他国との保護主義的な付き合い方についても具体的な話が出てくると、そこが嫌気されて上記のようなマーケット展開にブレーキがかかるかもしれないという点には注意が必要です。
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